耐震補強グラウト施工とは

品質管理

品質管理 写真2

無収縮モルタルの最良の状態を維持するため、コンシステンシー試験および圧縮強度 試験を品質管理試験として所定の頻度で実施します。品質管理試験の頻度は無収縮モルタルの打設数量および施工日数により決定します。

品質管理試験
品質管理試験
記録板
記録板

〔1〕コンシステンシー試験

無収縮モルタルの柔らかさの指標であるコンシステンシーは、使用水量により変化します。流し込み用の無収縮モルタル(グラウト材)では、通常はJロートによる流下 時間を測定します。
建築改修工事監理指針(平成16年度版・(財)建築保全センター)では、Jロートによる流下時間の測定に加えて、フローテーブルによるフロー値(広がり)を測定するこ とを推奨しています。この理由は、流下時間の測定では、ストップウォッチのスタート・ストップや流下終了の判断に、測定者による多少の誤差があること、フロー値の測定では、広がりの状態を写真による記録として明示できるからです。


1-1J14ロートによる流下時間測定試験

主に、無収縮モルタルの柔らかさである流れやすさを測定し記録します。硬すぎる場合には型枠内の入り隅部分などの細部に未充填部分が発生する可能性があります。
14ロートによる流下時間は、練り混ぜ水の多少により変化し、使用する水量が多くなると流下時間は短くなり、少なくなると長くなります。

【 J14ロートによる流下時間測定試験の手順 】
  1. 下端を指で塞ぎロートにモルタルを満たし、少量を流下させて気泡を除き不足量を注ぎ足して上面をすり切りに均す。
  2. 指を離して、流下開始から終了までの時間を測定する。
  3. 測定は2回実施しその平均値とする。
  4. 同時に練り上がり温度を測定する。
Jロート試験
J14ロート試験
J14ロートの形状
J14ロートの形状

1-2テーブルフロー試験

主に、無収縮モルタルの柔らかさである広がりやすさを測定し記録します。測定値を写真記録することが可能です。
広がり(フロー値)が小さすぎる場合には、充填距離が長いと材料が到達しないことがあります。大きすぎると充填が終了する時に材料が上面に一気にタッチするために 大きな気泡を抱き込む可能性があります。
フローテーブルによるフロー値は、J14ロートの流下時間と同様に、練り混ぜ水の多少により変化し、使用する水量が多くなるとフロー値は大きくなり、少なくなると小さくなります。

【 テーブルフロー試験の手順 】
  1. 架台に乗せたフローテーブル版が水平になるように設置する。
  2. 水分を拭き取ったフローテーブル版の中央に、フローコーンを置く。
  3. 試料モルタルをフローコーンにゆっくりと流し込み、上端を均す。
  4. フローコーンを鉛直に引き上げ、3分間静置する。このとき振動を与えないように注意が必要である。
  5. 試料モルタルの広がりの最大径と直角に交差する方向の長さをメジャーやノギスで測定し、その平均値をフロー値とする。
1.モルタルの流入
1.モルタルの流入
2.フローコーンの引き上げ
2.フローコーンの引き上げ
3.フローの測定
3.フローの測定

〔2〕圧縮強度試験

無収縮モルタルの品質管理試験の中で、圧縮強度の測定は最も重要な項目です。測定は、通常は材齢28日、すなわちモルタルの施工後28日間養生後に圧縮試験を行います。
要求性能としては一般部分に打設されるコンクリート強度を上回ることが要求されます。

【 強度用供試体の作成手順 】
  1. 圧縮強度用供試体の採取は、直径5cm、高さ10cmの円柱型枠を用いる。
  2. 試料モルタルを型枠に2層に分けて、空気の巻き込みがないように静かに流し込む。
  3. 型枠上面までモルタルを満たした後、ビニルフィルム等で覆い表面の乾燥を防ぐ。
  4. 採取した供試体は、脱型まで施工個所に静置し、その後、脱型を行い所定の材齢まで現場水中養生を行う。
圧縮強度試験機
圧縮強度試験機